賃貸物件の契約者の名義変更をすべきケースと方法について解説!

公開日:2023/03/15  


賃貸物件の契約者の名前は、結婚や離婚などのライフステージの変化に合わせて適切に変更しなければなりません。変更手続きを怠ると、契約違反として退去を命じられる恐れもあります。しかし、名義変更が必要なケースがよくわからない人も多いでしょう。そこでこの記事では、賃貸契約において名義を変更すべきケースと方法を解説します。

賃貸物件で名義変更が必要なケースとは

賃貸契約における名義は、ライフステージの変化などに応じて適切に変更手続きを行う必要があります。契約書に記載されている名前と、契約して住んでいる人の名前が一致しない場合、契約違反と判断され、最悪の場合、強制退去を命じられる可能性もあり、注意が必要です。名義変更は大きく分けて、名義人は同じ人のままで名前のみを変更する場合と、名義人自体を変える場合の2パターンに分類されます。それぞれ手続きの仕方が異なるため、区別しておきましょう。

では、まず名前のみを変える必要があるケースを2つご紹介します。

1つ目は、結婚や離婚などで苗字が変わったときです。結婚や離婚をして苗字が変わった場合、旧姓で賃貸契約をしているのであれば、新たな苗字に変える必要があります。

2つ目は、法人の名称が変わったときです。法人契約していて、法人の名称が変更された場合は賃貸契約書の名義も新たな法人名に変える必要があります。

ご紹介した2つのケースは、同じ名義人のまま名前のみ変える場合であり、名義のみの変更手続きを行います。

契約者自体を変更し名義を変えるケース

1つ目は、1人暮らしの大学生が就職して、親が支払っていた家賃を自分で支払うようになるときです。この場合、名義人を親から子どもへ変更します。

2つ目のケースは、勤務先が借りている物件に住んでいた人が、退職後も同じ物件に住み続けるときです。この場合、法人から個人に名義人を変えなければなりません。

3つ目のケースは、シェアハウスをしていて、名義人が引っ越しをするときです。この場合、住み続けるメンバーのうちの1人を名義人にする必要があります。

ご紹介した3つのケースは、これまで契約していた人とは違う別の人が名義人となるため、これまでの契約を終了させ、再契約の手続きをします。名義人は同じ人のままで、名前のみを変えたい場合は、名義のみの変更手続きをし、別の人に変えたいときは、多くの場合が再契約となることを理解しておきましょう。

名義変更ができない場合もある

名義変更したくてもできない場合もあります。できない可能性が高いのは、1人暮らしをする人を対象とした賃貸物件です。1人暮らし用の賃貸物件は、契約者が1人で住むことを前提として契約するため、契約の途中で名義人が変わることは想定されていません。

そのため、兄弟や友人など、自分以外の人を代わりに住まわせたい場合は、これまでの契約を一旦解約し、再び契約し直す必要があります。再び契約する場合、敷金や礼金、仲介手数料や諸費用を含めた初期費用が改めて発生したり、火災保険へ加入し直したりする必要も出てきます。新たな契約者に家賃の支払い能力があるのかなど、入居審査も改めて行われるため、単純に名前を変えればよいわけではないことを把握しておきましょう。

名義変更の方法・手順とは

名義変更の手続きは、名義人の名前のみを変更するのか、名義人を別の人に変えるのかによって内容や手順が異なります。まず、結婚などで苗字が変わり、名前のみを変えたい場合の手続き方法を解説します。管理会社に連絡しましょう。連絡したときに、管理会社に訪問する日時を決めます。日時が決まったら、当日までに手続きに必要な書類を準備しましょう。

必要な書類は主に、新たな名前がわかる身分証明書、所得証明書、連帯保証人の承諾書などです。身分証明書には、住民票や運転免許証などが該当します。必要な書類は、管理会社ごとに異なるため、最初に連絡したときに確認しておきましょう。また、手続きには手数料がかかります。手数料も管理会社ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。

次に、名義人を別の人に変える場合の手続き方法を解説します。まず管理会社などに連絡しましょう。その際、手続きに必要な書類も確認しておきましょう。そして、現在の賃貸契約を解約します。解約が完了したら、新たな契約者に家賃の支払い能力があるかなど、入居審査を行います。審査で問題ないと判断されたら、重要事項の説明などを受け、契約を結びます。必要に応じて、敷金や礼金、仲介手数料などの初期費用を支払いましょう。

まとめ

結婚や離婚などにより名前が変わったときや、別の人を名義人にする場合、名義変更手続きが必要です。名前のみを変える場合は名義のみ変更すればよいですが、名義人自体を別の人に変えるときは、多くの場合が再度契約を結び直さなければなりません。再契約をする場合は、敷金・礼金などの初期費用が発生する場合もあります。

手続きを怠ると、最悪の場合、強制退去などをさせられる可能性もあるため、必要に応じて迅速に対応しましょう。名義変更が必要なパターンはたくさんあるため、手続きが必要かどうかわからない場合は、管理会社などに問い合わせることで退去要求を受けるなどのトラブルを防げます。

WRITER沢野圭太
埼玉県出身。不動産歴6年。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーとしての視点で不動産情報を日々発信しています。
自身も不動産屋として接客の経験を持ち、本当に求められる安心できる不動産屋情報の発信に努めています。

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