賃貸物件の又貸しは禁止されている?その理由とは

公開日:2023/07/15  


「賃貸物件の又貸し」とは、契約した賃貸に本人や申告した居住者が住まず、許可なく他人に貸すことです。これは貸す相手が友人であってもみなされる場合があります。利益目的でなくても安易に行わないことが重要です。では、どのようなケースが又貸しだとみなされるのでしょうか?また、賃貸物件の又貸しが発覚したらどうなるかも解説します。

賃貸物件の又貸しってどういう状態?

「賃貸物件の又貸し」とみなされる状況は、契約をした本人が物件に住まず貸主の許可なく他人に貸した状態をいいます。つまり、大家さんや管理会社へ報告せず、契約者本人や申告した居住者でない人を住まわせると「賃貸物件の又貸し」となります。

「家族でもダメなの?」との質問も耳にすることがありますが、大家さんまたは管理会社に居住者を連絡すればOKです。逆に、親が契約した賃貸に子どもが許可なく入れ替わって住めば又貸しとなります。

なぜ賃貸物件は又貸しが禁止されているのか

たとえ契約者が家賃を払っていたとしても、許可なく他人が住めば「賃貸物件の又貸し」とみなされます。「お金払ってるんだからいいじゃない!」と思われそうですが、なぜ賃貸物件の又貸しは禁止されているのでしょうか?

トラブルの際のリスクが大きい

もし賃貸物件でトラブルが起きた場合、居住者ではない人が関係していると事態が複雑化してしまいます。その結果、早急な対応ができず、かえってトラブルが大きくなってしまうこともあるでしょう。そうした事態は、借りている人も大家さん・管理会社もリスクを負うため、禁止とされています。

不動産関連の会社から信頼を失う

賃貸物件の又貸しをすると賃貸借契約違反にもなり、借主と貸主の信頼関係が破綻してしまう恐れがあります。また、不動産関連の会社から信頼を失えばブラックリストに載る可能性もあり、新しい物件を探す際に不利になってしまうかもしれません。

民法によって禁止されている

賃貸の契約違反であることはもちろんですが、賃貸物件の又貸しは民法によって禁止されています。民法612条によれば賃貸人の承諾を得ない限り、賃借人は賃借権を譲り渡したり賃借物を転貸したりできないとあります。つまり、大家さんや管理会社の許可なく契約した物件を人に貸せないということです。

又貸しが発覚したらどうなる?

もしも、賃貸物件の又貸しが発覚したらどうなるのでしょう?基本的には賃貸物件の又貸しをした契約者本人が全責任を負います。具体的な内容は以下のとおりです。

謝罪や損害賠償

又貸しした相手が家賃を滞納したり、設備を壊すなど、さまざまなトラブルを起こした場合は、謝罪と損害賠償をする必要があります。原状回復の支払い義務が生じるため、上体によってはかなりの費用がかかることもあるでしょう。

違反金が請求されるケースもある

契約内容にもよりますが、違約金が請求されるケースもあります。これは契約違反であることはもちろん、貸主と借主の信頼関係を破壊してしまったからです。違反金は家賃1か月文よりも高い可能性があるため、かなりの負担になると思った方がよいでしょう。

契約解除・強制退去処分

契約の内容によっては契約の解除、それに伴って強制退去処分となることがあります。「退去したら違反金はいらない」ということはありません。違反金の請求とともに強制退去となります。

又貸しではなく代理契約を結んだ方がよいケース

賃貸物件に複数人で住んでも又貸しだとみなされるケースがあります。例えば「恋人との同棲」「友人とのルームシェア」などです。大家さんや管理会社に連絡すれば問題ありませんが、許可なく住めば契約違反になります。

未成年や成人の学生、無職の人など収入源が少なく審査に通過できない場合は、代理契約を結びましょう。代理で契約をした人が審査に通れば、別の人が賃貸物件に住めます。ただし、代理契約できるのは原則3親等までの親族までです。

まとめ

賃貸物件の又貸しとみなされるケースや、発覚するとどうなるのかを解説しました。大家さんや管理会社など、貸主の許可なく他人を住まわせると「賃貸物件の又貸し」とみなされます。契約時の居住人の欄に記入するか、許可を取れば又貸しとなりません。恋人との同棲や友人とのルームシェアでもみなされる場合があります。そうした場合は、必ず貸主に許可を取りましょう。

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WRITER沢野圭太
埼玉県出身。不動産歴6年。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーとしての視点で不動産情報を日々発信しています。
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