不動産内見におけるセルフ内見と違法飛ばしの違いや見極め方

公開日:2025/06/15  

内見

不動産のセルフ内見は、賃貸物件の内見で広く導入されており、物件情報が事前にオンラインで詳しく公開されている場合が多いです。見学の際には、自由度の高さがメリットとして挙げられますが、専門的な質問への回答が得られないことや、細部の確認が不十分になりがちな点には注意が必要です。

不動産内見における「セルフ内見」とは

不動産の「セルフ内見」とは、利用者が不動産業者の立ち会いなしで物件を見学できるサービスのことです。従来の内見では、不動産業者が同行し、物件の特徴や設備の説明を受けながら見学するのが一般的でしたが、セルフ内見では、借主が指定の日時に物件を訪問し、自分のペースで見学を行えます。

セルフ内見の最大の特徴は、物件の鍵の受け渡しがオンラインやスマートロックを通じて行われる点です。予約した日時にスマートフォンのアプリを使って解錠し、自由に物件を見学できる仕組みが整っています。これにより、業者の都合に合わせる必要がなく、平日や夜間でも気軽に内見が可能です。

不動産の「違法飛ばし」とは

「違法飛ばし」とは、不動産の売買や賃貸の仲介において、正規の媒介契約を結んだ不動産業者を経由せずに、別の業者や顧客と直接契約を結ぶ行為を指します。たとえば、物件の売主と買主が不動産業者を介さずに直接やり取りを行う場合や、買主が別の不動産業者を通じて契約を進めるケースがこれに該当します。

違法飛ばしが問題視されるのは、依頼者と媒介契約を結んだ不動産業者が受け取るべき仲介手数料が支払われなくなる点です。不動産業者は、売主や買主と媒介契約を結び、取引成立のために広告や案内を行うのが通常の流れですが、違法飛ばしが発生すると、正規の不動産業者が仲介業務の対価を受け取れなくなります。

不動産セルフ内見と違法飛ばしの違い

セルフ内見と違法飛ばしは、物件の見学に関わる行為という点では共通していますが、その性質は大きく異なります。セルフ内見は、物件の見学方法の一つであり、賃貸物件の入居希望者が不動産業者の立ち会いなしに物件を確認する仕組みです。

セルフ内見は、利用者が物件の情報を事前に把握したうえで、予約した日時に物件を自由に見学するための利便性を高めるサービスであり、違法な行為ではありません。むしろ、業界では入居者の利便性を高めるための新しい手法として注目されています。

一方、違法飛ばしは、不動産の取引手続きの流れに反して、媒介契約を無視する行為です。売主や買主が媒介契約を結んだ不動産業者を飛ばして直接契約を行うことで、業者の報酬が不当に失われるという問題が発生します。これは、法律的なトラブルを引き起こすリスクがあり、契約者は賠償責任を負う危険性があります。

セルフ内見と違法飛ばしの見極め方

不動産のセルフ内見と違法飛ばしを見極めるポイントは、物件の案内方法と契約の流れにあります。セルフ内見では、物件を紹介する不動産業者が明確に存在し、その業者が提供するシステム(アプリや専用サイト)を通じて、入居希望者が見学予約を行います。見学当日は、専用アプリを使って物件の鍵を解錠し、自由に物件を内覧する仕組みです。契約の流れも正規の不動産業者を通じて進められるため、法的なトラブルはほとんど発生しません。

一方、違法飛ばしは、正規の媒介契約を無視して売主や買主が直接やり取りを行う行為であり、媒介契約がある限り違法とされるケースがあります。売主や買主が別の不動産業者に切り替える際、すでに媒介契約を結んでいる不動産業者に連絡せず新しい業者と取引を行うと、違法飛ばしに該当する恐れがあります。この違いをしっかり理解することが、見極めをするうえで重要となります。

まとめ

不動産のセルフ内見は、内見者が業者の立ち会いなしに物件を自由に見学できる便利なサービスであり、法的なリスクはほとんどありません。一方、違法飛ばしは、媒介契約を無視して取引を進める行為であり、損害賠償請求を受ける危険性があるため注意が必要です。不動産取引では、媒介契約の内容をよく理解し、業者の説明に不明点があれば、積極的に質問する姿勢が求められます。セルフ内見を活用する際も、契約の流れや内見方法を確認し、安心して不動産の取引を進めることが重要です。

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WRITER沢野圭太
埼玉県出身。不動産歴6年。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーとしての視点で不動産情報を日々発信しています。
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