不動産の囲い行為に同意してはならない理由は?

公開日:2025/05/15  

囲い行為

不動産における「囲い行為」とは、特定の不動産業者が他を排除し、自社だけで売買や賃貸の仲介を進める行為を指します。通常、不動産の物件情報は「レインズ(指定流通機構)」というデータベースに登録され、広く共有されるのが一般的です。しかし、囲い行為を行う業者は自社の利益を優先させる悪徳業者といえます。

不動産の「囲い行為」とは

囲い行為の目的は、自社だけで取引を完結させることにより、売主と買主の双方から仲介手数料を得る「両手取引」を成立させることにあります。囲い行為に同意してはならない理由は、以下の通りです。

物件の売却価格が下がる可能性があるため

囲い行為が行われると、物件情報が市場に十分に広まらず、買い手が限定されてしまいます。買い手が増えるほど競争が生まれ、売却価格は上昇するのが一般的ですが、囲い行為が行われると買い手の数が制限されるため、価格が希望通りにならない恐れがあります。業者が提示する買い手が1社しかいない場合、値引きを余儀なくされるリスクも高まります。

売却の機会損失が生じるため

物件が市場に広く流通しなければ、売却のチャンスが減少します。囲い行為を行う業者が自社の顧客にのみ物件を紹介する場合、売り手の選択肢は著しく限定されます。レインズを活用すれば、全国の不動産業者が物件を確認でき、より多くの買い手にアプローチできますが、囲い行為が行われれば、売主がその機会を得ることはできません。売却期間が長引けば、物件の価値が下がることも考えられます。

不動産業者の利益が優先されるため

囲い行為を行う不動産業者の目的は、両手取引による仲介手数料の最大化です。売主の利益ではなく、自社の利益を優先するため、売主の立場が不利になる恐れがあります。売主が信頼して媒介契約を結んでいても、業者の不誠実な行動によって、適切な価格や条件での売却が妨げられる危険性があります。

契約の透明性が失われるため

囲い行為が行われると、売主が市場の動向を把握するのが難しくなります。本来であれば、複数の買い手がいる中で条件を比較し、最適な取引を選べるはずですが、囲い行為が行われると業者が提示する情報が限定的になるため、売主が判断を下すための情報が不足します。売主は自分の物件が市場でどのように評価されているかを知ることが難しくなり、契約条件の交渉にも不利な立場に置かれることになります。

取引のスピードが遅くなるため

囲い行為によって物件の流通が制限されると、取引のスピードが遅くなることがあります。とくに、買い手が見つかりにくい状況では、売却期間が長期化し、資金繰りに悪影響を及ぼすことも考えられます。広く市場に流通すれば、多数の買い手の中から迅速に取引相手を見つけることが可能ですが、囲い行為を行う業者は自社内の顧客だけを対象とするため、結果的に売却が遅れるリスクが高まります。

不動産会社の囲い行為を防ぐ方法

不動産の媒介契約には、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。囲い行為のリスクを減らすためには、専属専任媒介契約よりも「一般媒介契約」を選択するのが有効です。一般媒介契約であれば、複数の不動産業者に売却を依頼することができ、囲い行為が行われるリスクを回避しやすくなります。

また、媒介契約を結ぶ際には、業者の実績や信頼性を確認することが重要です。口コミや評判、過去の取引実績などを調査し、囲い行為を行う業者ではないかを見極める必要があります。不動産業者は「指定流通機構(レインズ)」への物件登録が義務付けられていますが、登録の遅延が見られる場合は注意が必要です。不動産業者に物件の販売状況を定期的に確認することも重要です。

まとめ

不動産業界における囲い行為は、売主の利益よりも不動産業者の利益を優先させる不誠実な行為です。囲い行為を見逃すと、物件の売却価格が下がったり、売却の機会を逃したりするリスクが高まります。不動産取引では、信頼できる業者を選び、契約形態を慎重に見極めることが大切です。レインズ登録の確認や販売活動の進捗確認を行うことで、囲い行為を防ぐことが可能です。売主には自身の利益を守るため、業者の説明を十分に理解し、疑問があれば積極的に質問する姿勢が求められます。

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WRITER沢野圭太
埼玉県出身。不動産歴6年。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーとしての視点で不動産情報を日々発信しています。
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