そもそも初期費用って必要?何にどのくらいかかっているの?

公開日:2022/05/01   最終更新日:2022/06/03


賃貸物件を借りる際に必要とされる「初期費用」。初めて賃貸物件を借りる方は、何にどれくらいお金が必要か気になりますよね。また、なるべく費用を抑えたいと思っている方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、賃貸物件を借りる際の初期費用とは何か、そして金額を抑えられる費用について解説します。

初期費用とは

賃貸物件を借りる際の「初期費用」とは、入居する際に物件のオーナーや不動産会社などに支払う費用のことです。具体的には、敷金、礼金、仲介手数料、クリーニング費用など多くの種類があります。初期費用の合計金額の相場は、家賃の6~7か月分とされています。賃貸物件を借りる際は家賃だけではなく、上記のような費用も支払う必要があるのです。

初期費用の内訳

それでは初期費用にはどのようなものがあるのか、内訳を紹介していきます。

■敷金

敷金とは、担保として物件のオーナーに預けるお金です。入居者が家賃を滞納した際に補填する費用として、また入居者が退去する際に設備の修繕やクリーニングに充てるための費用として使われます。退去時に必要な金額を差し引いて入居者に返還されます。相場は家賃の1~2か月分です。

■礼金

礼金とは、部屋を貸してもらったお礼として物件のオーナーに支払う謝礼金です。敷金とは違って、退去時に入居者へ返還されることはありません。相場は家賃の1~2か月分です。

■前家賃

前家賃とは、入居月の翌月分の家賃のことです。月の途中から入居する場合は、入居する日から月末までの家賃も合わせて入居前に前払いします。たとえば4月の初めに契約をして420日から入居する場合は、4月の10日分と5月分の家賃を支払うことになります。

■仲介手数料

仲介手数料とは、入居者と物件のオーナーの仲介役として契約を成立させてくれた対価として不動産会社に支払う手数料です。相場は家賃の1か月分です。

■火災保険料

賃貸物件を借りる際は火災保険に加入する必要があります。保険料は保険会社や保証内容によって異なるため、相場は一概には言えません。必要最低限のプランのものだと年間3,000円前後、補償がしっかりしているものだと年間1万円前後かかります。2年分を一括で前払いするのが一般的であるため、入居時には6,000円~2万円程度が必要となります。

■鍵交換費用

鍵交換費用とは、以前の住人が使用していた鍵とシリンダーを、新しい入居者用に交換するために必要な費用です。以前の入居者が合鍵を作っている可能性があるため、安全の確保のために鍵の交換が行われます。相場は約1~2万円です。

■クリーニング費用

クリーニング費用とは、クリーニング会社に物件の部屋を掃除してもらうために必要な費用です。費用は部屋の大きさによって異なります。相場はワンルームや1K3万円以上、1LDK2LDK4万円以上、3LDK7万円以上とされています。

■保証料

保証料とは、保証会社への加入に必要な費用です。保証会社とは入居者が家賃を滞納した際に、物件のオーナーに家賃を立て替えて支払ってくれる会社です。保証料の相場は、家賃の約0.51か月分とされています。連帯保証人を立てて保証会社に加入しない場合は、この費用は不要になります。

削減できる初期費用はある?

さまざまな初期費用を紹介しましたが、これらのうち削減できる初期費用はあるのでしょうか?結論は「あります」。少しでも初期費用を抑えたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。

■敷金および礼金

最近では敷金や礼金を相場より低くしたり、無料にしていたりする物件があります。築年数が古い物件や駅から遠い物件のような人気の低い物件が、敷金や礼金を相場より下げていることが多いようです。敷金や礼金を安くしてでも、空室の部屋が埋まったほうが物件のオーナーにとっては好都合だからです。

■仲介手数料

仲介手数料の相場は家賃の1か月分ですが、最近では仲介手数料を家賃の0.5か月分としたり、無料にしていたりする不動産会社も増えています。仲介手数料が相場より安い不動産会社は、公式サイトでアピールしていることが多いのでチェックしてみましょう。

■前家賃

入居から一定期間、家賃が無料になるフリーレント契約を適用している物件もあります。フリーレントの適用期間は物件によって異なりますが、入居から0.51.5か月の場合が多いです。

■鍵交換費用

鍵の交換が不要であれば、交換作業は不要と不動産会社に伝えてみましょう。ただし、安全面の保障は自己責任となるので、本当に不要かどうかは慎重に検討してください。

■クリーニング費用

どのようなクリーニングを行うのかを不動産会社に聞いてみましょう。内容を聞いて不要だと感じた場合は、はっきりと伝えてみましょう。安くしてもらえる可能性があります。

■初期費用を削減するためのポイント

最後に初期費用を削減するためのポイントを2つ紹介します。

ひとつ目は、不動産会社の閑散期に部屋探しを行うことです。不動産会社の閑散期は78月と1112月といわれています。このシーズンは敷金や礼金などの費用が相場より安くなっている可能性があります。繁忙期である13月と910月のシーズンでも入居が決まらなかった部屋を埋めるためです。また、不動産会社もそれほど忙しくないため、値下げの交渉を聞いてくれる可能性が高いです。

ふたつ目は、値下げを交渉する際にはダイレクトに「安くしてください」とはいわないようにすることです。「礼金を安くしていただければ、長く住みます」などと、物件のオーナーにとってのメリットを提示して交渉しましょう。

 

今回は賃貸物件を借りる際の初期費用について解説しました。初期費用はさまざまな項目があり、ある程度の金額が必要となります。しかし、物件やシーズンによってはこれらの費用が相場より安くなっていたり、交渉次第で値下げしてもらえたりする可能性もあります。今回紹介した内容を参考に、なるべく初期費用を抑えて素敵な新生活をスタートさせてくださいね。

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WRITER沢野圭太
埼玉県出身。不動産歴6年。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーとしての視点で不動産情報を日々発信しています。
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