賃貸に住むなら木造と鉄骨造のどちらがよいか
部屋探しの第一歩は、立地や家賃、部屋の広さで検討することが多いのではないでしょうか。しかし、どのように建てられた物件かによっても暮らしやすさは変わります。この記事では、木造と鉄骨造ではどのような違いがあるか、メリット・デメリットなどについて解説します。それぞれの特徴を知り、快適な賃貸選びの参考にしてください。
木造と鉄骨造の違い
建材や工法面で木造と鉄骨造には違いがありますが、そのほかにもさまざまな違いがあります。ここでは、それぞれの特徴と違いについて解説します。
木造の特徴
木造は、戸建てや2階建て程度の建物が一般的で、3階建て以上になると鉄骨造が多い傾向にあります。
木造の特徴として湿気に強いことが挙げられますが、これは木材に調湿効果があるためです。主な工法としては在来軸組工法とツーバイフォー工法があります。
地震が来たとき、木造は鉄骨造にくらべて壊れやすいと思われがちですが、最新の耐震基準で耐震等級3以上を満たしていれば、問題ありません。耐火性に関しても、不燃材を使用した耐火構造の木造であれば、火災に強い住宅といえます。
鉄骨造の特徴
鉄骨造には軽量鉄骨と重量鉄骨があります。軽量鉄骨と重量鉄骨の違いは、鋼材の厚みです。軽量鉄骨より重量鉄骨のほうが強度はありますが、建材費は高くなります。
低い建物だと軽量鉄骨で作られていることが多く、3階建て以上の高い建物は重量鉄骨が一般的です。鉄骨造は通気性に劣るため、こまめに換気するなどの対策が必要です。
木造のメリット・デメリット
木造の賃貸に住むときは、どのような点に気をつけたらよいのでしょうか。木造のメリットとデメリットをお伝えします。
木造のメリット
木造のメリットには次のようなものがあります。
・賃料が安い
・結露が発生しにくい
エリアや築年数にもよりますが、鉄骨造の賃貸よりも木造の賃貸のほうが賃料は安く抑えられる傾向にあります。なぜかというと、鉄骨よりも建材が安く、工期が短いので建築費コストが抑えられるからです。
また、木造に多い低層アパートはエレベーターが不要で、管理費がかからないなどの理由もあります。
そのほかのメリットでは、通気性がよく、結露が発生しにくい点が挙げられます。木の調湿効果でカビやダニが発生しにくいメリットもあります。
木造のデメリット
木造には次のようなデメリットがあります。
・生活音が漏れやすい
・耐震性が低いイメージがある
木造の一番のデメリットは、音が漏れやすいことです。鉄骨に比べると遮音性が低く、隣の入居者の話し声が聞こえたり、上の階から足音が聞こえたりする場合があります。
こちら側の生活音が外に聞こえていないか不安になることもあるでしょう。家で過ごす時間が長い人や音に敏感な人は要注意です。
また、鉄骨よりも木造は耐震性が低いというイメージを持たれることがありますが、これは一概にはいえません。古い物件は耐震性が低いこともありますが、最近建てられた物件で耐震等級3以上を満たしていれば、耐震性は充分といえます。
鉄骨造のメリット・デメリット
鉄骨造の賃貸に住むうえで、木造と比べてどのようなメリット・デメリットがあるかをお伝えします。
鉄骨造のメリット
木造と比べて鉄骨造には次のようなメリットがあります。
・品質が安定している
・音が漏れにくい
木造だと木の材質による違いや職人の腕によって差が出るため、物件によって品質にばらつきがあります。鋼材は工場生産で、ある程度の組み立てまで作られたものが現場に届くため、鉄骨造の品質は安定しているといえます。
また、木造に比べると壁が厚いので遮音性が高いです。しかし、軽量鉄骨の場合は重量鉄骨より壁が薄く、木造と同じような壁の構造をしているため、遮音性は木造と大差はありません。
鉄骨造のデメリット
鉄骨造に住む場合のデメリットは次のような点です。
・賃料が高めである
・通気性が悪く結露が多い
木造よりも建築コストが高い分、賃料も高い傾向にあります。しかし、築年数によっては木造より安いこともあります。木造に比べると鉄骨は通気性が悪いので結露が発生しやすいです。よく換気をし、カビやダニの対策をする必要があります。
ライフスタイルで選ぼう
木造と鉄骨造にはそれぞれの特徴があり、メリットもデメリットもあります。どちらがよいかは、自分がどんな点に重きをおくかによって選びましょう。
小さい子どもがいたり家で過ごす時間が長かったりして音の漏れが気になるのなら、鉄骨造がおすすめです。通気性のよさを重視するなら鉄骨造より木造、3階建ての物件なら品質が安定している鉄骨造がよいでしょう。
まとめ
木造は鉄骨造よりも通気性がよくカビが発生しにくいですが、音漏れが心配です。一方で鉄骨造は結露が発生しやすいなどのデメリットはありますが、品質が一定していて遮音性が高い傾向にあります。
木造か鉄骨造かどちらがよいかは、自分のライフスタイルを考えて適したほうを選びましょう。
また、最近の住宅の建築基準なら木造も鉄骨造も性能に大差がないことも多いです。希望する物件が建てられた時期や、内見で実際の物件の状態を確認しながら検討してください。