不動産の購入時に発生する手付金とは?

公開日:2020/06/15  最終更新日:2020/06/02

不動産を購入する際には、手付金と言う名目で支払いが発生することが多いです。着手金に似ていると思うかも知れませんが別物で、重要な意味を持つため注意を要します。一般的な買い物では余り利用されない制度で馴染みがない方も多いはずですので、この機会にチェックしておきましょう。

手付けを払う意味と役割について

手付金は売買契約を履行する際、買った側が代金の一部を前納する形で支払う金銭となります。これだけだと着手金と変わらないように見えますが、手付金の大きな特徴は、それ自体に契約を解除するための仕組みがある点です。買った側は手付金を放棄することで、売買契約を解除できます。

これに対して売った側も、手付金の倍額を支払うのなら、契約を解除して構いません。つまり、手付金を買った側が交付しておけば、解除する・あるいは解除される権利が自動的に発生することになります。この権利は無条件で行使できるので、相手の同意を得たりする必要もありません。特に大きな金額の買い物では、一方的にキャンセルされると損失が大きいものでしょう。

買った側も売った側も、相手のキャンセルの際に損害を受けるたびに損害賠償のための裁判を起こしていたのでは、経済的に大変なことになります。もちろん、相手が夜逃げしてしまうと、これを探し出すのは困難を極めます。このために、手付金を払うことで安易なキャンセルを防ぐと同時に、契約を解除した際には自動的に、相手方に金銭を補填することで決着させようと言うわけで。

手付け金を放棄・倍返しした後は、これで契約はきれいさっぱりなかったことになります。つまり、手付けによって契約解除すれば原則として話は終わりで、損害賠償や違約金は、一般的に発生しません。このように契約の解除を非常にシンプルに決着させるための仕組みが、手付金と言うことになります。

利用できるタイミングに制限がある

売買契約の際、買った側も売った側も、手付けによってキャンセルできるのが特徴でした。しかし、いつまでも解除を認めると、損失が大きくなって困るケースがでてきます。例えば買った側が代金の支払いのためにローンを組んだり、家を買ったものだと思って転居のために、従前の住まいを引き払ったタイミングでしょう。

ここで契約が解除になるとたまったものではありません。もちろん、売る側についても同じで、いろいろな手続きを終えて後は引き渡すだけの段階で解除になると、やはり困ったことになります。このようなリスクがありますので、手付け解除はできるタイミングが決まっているのです。

具体的には、履行の着手があった以降は、売る側も買う側も手付けを行使することはできなくなります。履行の着手は既に一部の履行を終えたか、履行のために必須となる準備が終わった後のことです。例えば、買った方が代金支払いのため借金して引き渡しを催促したとか、先行登記によって引渡し前に所有権移転登記を入れてもらったときは、履行の着手があったと考えられます。

手付けには限度額があるので気を付けよう

手付けは契約の解除をするのに便利ですが、売った側も買う側も一定の金額を失うのです。不動産の場合は売買代金が巨額ですから、その分は財布へのダメージは小さくありません。これによって解除が乱発するのを防ぐ効果もありますが、もしも、いくらでも自由に手付けの金額を決められるとしたらどうでしょうか。

不動産のように額が大きいと、結局、手付けを行使することが難しくなって制度の意味が失われますし、お互いにあまりにも損が大きくなってきます。そこで、不動産に関しては宅建業者と一般の方が取引する場合、10分の2を上限としました。1000万円の物件ですと20万円までの手形となります。

 

不動産売買と手付けについて見てきました。基本的にはこれまでの説明の通りですが、当事者同士でいろいろとルールを変えることができるので、実際の取引では割と複雑な代物になります。しかも、ルールには変えて良い部分と駄目な部分があるため、業者でない方は混乱しがち。このために、不動産取引をスムーズかつ安全におこなうときには、不動産関係のプロに相談するのがおすすめです。特に池袋で不動産売買を考えるなら、信頼できる会社がいくつもあるのでじっくり選んでいきましょう。

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WRITER沢野圭太
埼玉県出身。不動産歴6年。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーとしての視点で不動産情報を日々発信しています。
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