不動産は契約後にキャンセルできる?上手にキャンセルする方法とは

公開日:2022/07/01  最終更新日:2022/06/14


賃貸物件を契約したあと、よりよい物件が見つかったり、急に転勤が決まったりして、キャンセルをしたくなることがあるかもしれません。そのような場合にキャンセルはできるのか、不安な方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、賃貸契約のあとにキャンセルをすることは可能なのか、キャンセルする場合はどうするべきかについて解説します。

入居審査や契約の流れ

はじめに、賃貸契約はどのような流れで行われるのかを簡単に解説します。

入居の申し込み

まずは、入居希望者が入居をしたい物件に申し込みをすることから始まります。不動産会社や物件のオーナーから渡される入居申込書に住所、氏名、収入などの情報を記入します。

入居審査

次に入居申込書の記載内容にもとづいて、不動産会社や物件のオーナーが入居審査を行います。入居審査とは、入居希望者をその物件に入居させてもよいかを判断する審査です。数日~1週間ほどの間で、審査の結果が連絡されます。

重要事項説明

入居審査に合格すると、重要事項説明が行われます。重要事項説明とは、宅地建物取引士の資格がある担当者が、入居希望者に契約内容の重要な点について口頭で説明することです。賃貸物件の契約書は難解な言葉で記載されています。そのため、入居希望者が契約書の内容をよく理解しないまま契約をしてしまうと、後に不利益を被る可能性があります。そのようなトラブルを防ぐために、重要事項説明は契約前に必ず行われるのです。

契約

重要事項説明の内容に入居希望者が納得できた場合は、一般的にその流れで契約の手続きが行われます。契約書に署名と捺印をし、晴れて契約が成立となります。

キャンセルできるタイミングとは

それでは、賃貸契約はどのタイミングまでキャンセルが可能なのでしょうか。

■キャンセルができるのは契約前まで

一般的に、キャンセルができるのは契約が成立する前とされています。ただし、重要事項説明を受けた流れで契約に移ることが一般的なため、重要事項説明の前までにキャンセルを申し出るのが理想です。

■契約後は「キャンセル」ではなく「解約」として扱われる

契約の成立後に撤回する場合は「キャンセル」ではなく「解約」として扱われます。そのため、たとえ1日も部屋に住んでいなかったとしても、普通に入居して退去する際と同様の解約手続きが行われます。賃貸物件の契約はクーリング・オフの対象外のため、支払い済みの初期費用は、ほぼ返金されないと考えてください。

ただし、部屋を使用していない場合は、敷金は返金してもらえる可能性があります。また、火災保険料も自分で保険会社へ連絡して解約をすれば、未経過分の保険料が返金される可能性があります。

■契約成立のタイミングを確認しておこう

多くの不動産会社は、契約書に署名および捺印をしたタイミングを契約成立とみなしています。しかし、不動産会社によっては、入居を申し込んだ時点など、別のタイミングを契約成立とみなしている場合があります。入居を申し込む前に、どのタイミングが契約の成立となるのかを不動産会社に必ず確認しておきましょう。

どうしてもキャンセルする場合

キャンセルをする場合は、契約の成立前でも後でも関係なく、なるべく早く不動産会社に連絡しましょう。不動産会社や物件のオーナーは、入居の申し込みを受けた時点から手続きを進めています。そのため、キャンセルの連絡を先延ばしにすればするほど、迷惑をかけてしまいます。キャンセル、または解約をしたいことを連絡するときは、理由を正直に話し、しっかりと謝罪をしましょう。

 

今回は、賃貸契約の成立後にキャンセルはできるのかについて解説しました。「キャンセル」ができるのは契約が成立する前までです。契約が成立した後のキャンセルは、普通に入居して退去する場合と同様の「解約」の手続きが行われます。また、キャンセルをすることは、不動産会社や物件のオーナーに迷惑をかけてしまう行為です。そのため、安易な気持ちで入居を申し込んだり、自分勝手な都合でキャンセルをすることは控えてください。

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WRITER沢野圭太
埼玉県出身。不動産歴6年。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーとしての視点で不動産情報を日々発信しています。
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